FUJIFILM(フジフイルム)X-E5を購入してから、気づけばもう3週間ほど経ちました。
私は普段SONY α7IVをメインで使っているため、FUJIFILMに関してはほとんど初心者です。
これまでにX-E3を1ヶ月レンタルしたり、コンデジのXF10を1ヶ月ほど使用した程度にとどまります。
そんな「ほぼSONYユーザー」の私が、X-E5を実際に使ってみてどう感じたのか。これからX-E5の購入を検討している方に向けて、率直な使用感をレビューしていきます。
なお、今回は基本的に動画は撮らず、写真専用として使った感想となります。
「SONYユーザーから見たX-E5ってどうなの?」と気になっている方に、少しでも参考になれば嬉しいです。
結論から言うと、X-E5はレンズキットのコンパクトさも相まって、気軽に持ち出せる高性能なスナップ機として大変満足しています!
FUJIFILM X-E5はどんなカメラ?スペックと外観の紹介
FUJIFILMのX-Eシリーズは、コンパクトなボディにEVFを搭載した人気のモデルです。
その最新機種となるFUJIFILM X-E5は、2021年2月に発売されたX-E4の後継機として登場しました。
X-E5は2025年6月12日に正式発表されましたが、発売は8月と、発表から実際の発売まで少し時間が空いた印象があります。7月末頃には「いつ予約が始まるの?」とソワソワしていたのも、今となっては懐かしい思い出です。笑
最終的には8月18日に予約受付が始まり、8月28日に販売がスタート。
私は予約もスムーズに完了し、無事に発売日にX-E5を手に入れることができました。
FUJIFILM X-E5・X-E4のスペック(仕様)比較
FUJIFILM X-E5と前モデルX-E4のスペックを抜粋し、比較表にまとめてみました。
特に私が注目したポイントには青いラインを入れています。
FUJIFILM X-E5 | FUJIFILM X-E4 | |
---|---|---|
レンズマウント | FUJIFILM Xマウント | FUJIFILM Xマウント |
撮像素子 | 23.5×15.7mm (APS-C) X-Trans CMOS 5 HR 原色フィルター | 23.5×15.6mm (APS-C) X-Trans CMOS 4 原色フィルター |
有効画素数 | 約4020万画素 | 約2610万画素 |
画像処理エンジン | X-Processor 5 | X-Processor 4 |
記録メディア | SD/SDHC/SDXC、UHS-I/UHS-II対応、V90対応 | SD/SDHC/SDXC、UHS-I対応 |
手ブレ補正 | ボディ内5軸、中央7.0段/周辺6.0段(CIPA2024、XF35mmF1.4装着時) | なし(ボディ内手ブレ補正非搭載) |
シャッタースピード | メカ: 30s〜1/4000(P/A)、15分〜1/4000(S/M)、B最長60分 電子: 30s〜1/180000(P/A)、15分〜1/180000(S/M)、B1秒固定 | メカ: 4s〜1/4000(P)、30s〜1/4000(A)、15分〜1/4000(S/M)、B最長60分 電子: 4s〜1/32000(P)、30s〜1/32000(A)、15分〜1/32000(S/M)、B1秒固定 |
連写 | 電子: 約20コマ/秒(1.29×クロップ)、約13コマ/秒/メカ: 約8コマ/秒 | 電子: 最大約30コマ/秒(1.25×クロップ)、約20コマ/秒/メカ: 約8コマ/秒 |
フォーカス | インテリジェントハイブリッドAF(位相差/コントラスト)、顔・瞳AF、被写体検出 | インテリジェントハイブリッドAF(位相差/コントラスト)、顔・瞳検出 |
ファインダー | 0.39型 有機EL 約236万ドット、視野率100%、倍率0.62倍 | 0.39型 有機EL 約236万ドット、視野率100%、倍率0.62倍 |
液晶モニター | 3.0型 チルト式 タッチパネルTFT 約104万ドット | 3.0型 チルト式 タッチパネルTFT 約162万ドット |
動画記録 | 6.2K/29.97p、DCI4K/4K 最大59.94p、FHDハイスピード 最大240p | DCI4K/4K 最大29.97p、FHDハイスピード 最大240p |
フィルムシミュレーション | 20モード(PROVIA/スタンダード・Velvia/ビビッド・ASTIA/ソフト・クラシッククローム・REALA ACE・PRO Neg.Hi・PRO Neg.Std・クラシックネガ・ノスタルジックネガ・ETERNA/シネマ・ETERNAブリーチバイパス・ACROS・ACROS+Yeフィルター・ACROS+Rフィルター・ACROS+Gフィルター・モノクロ・モノクロ+Yeフィルター・モノクロ+Rフィルター・モノクロ+Gフィルター・セピア・) | 18モード(PROVIA/スタンダード・Velvia/ビビッド・ASTIA/ソフト・クラシッククローム・PRO Neg.Hi・PRO Neg.Std・クラシックネガ・ETERNA/シネマ・ETERNAブリーチバイパス・ACROS・ACROS+Yeフィルター・ACROS+Rフィルター・ACROS+Gフィルター・モノクロ・モノクロ+Yeフィルター・モノクロ+Rフィルター・モノクロ+Gフィルター・セピア) |
バッテリー | NP-W126S | NP-W126S |
静止画撮影可能枚数 | 約400枚(エコノミー)/約310枚(ノーマル) | 約460枚(ノーマル、XF35mmF1.4使用時) |
外形寸法 | 124.9 × 72.9 × 39.1mm(最薄部33.0mm) | 121.3 × 72.9 × 32.7mm(最薄部) |
質量 | 約445g(バッテリー/カード含む)/約396g(本体のみ) | 約364g(バッテリー/カード含む)/約315g(本体のみ) |
FUJIFILM X-E5の外観・デザイン
まず注目したいのは、ボディ上面のデザインです。
アルミ削り出しの軍艦部は、高級感があり、実際に触れるとほんのりひんやりとした質感を感じます。
また、ロゴの配置にも変化がありました。X-E4までは前面にありましたが、X-E5では上面に配置。これにより、前面から見たときの印象はよりミニマルになり、個人的にはとても好みです。

フィルムシミュレーション用のダイヤルが左側に配置されていて、気軽にカラーを切り替えられます。

X-E5のEVF(電子ビューファインダー)は約236万ドットで、実用上まったく問題ありません。α7IVの約368万ドットと比べても、特に粗さを感じることはありませんでした。
ファインダー倍率は0.39型とやや小さめなのが気になる点ではありますが、それでもファインダーがあるだけで大きな助けになります。

EVF専用の表示機能として「クラシックモード」が用意されています。
必要最小限の情報だけが表示されるレトロな画面で、撮影にしっかり集中できます。
引用元:FUJIFILM X-E5
前面にはフロントコマンドダイヤルとコントロールレバー、さらに浅めではありますがグリップも備わっています。

コントロールレバーは、左右に倒すことで割り当てられた機能を操作できます。
さらに、レバーの中央部分はボタンになっており、こちらにも機能を割り当てることが可能です。

側面のフタを開けると、ø3.5mmのマイクジャック、USB-C端子、HDMIマイクロ端子が配置されています。
また、フタの横にはフォーカスモードを切り替えるスイッチも備わっています。

背面では、X-E4で省かれていたリアコマンドダイヤルがX-E5で復活しました。操作性に直結するダイヤルなので、嬉しいポイントです。
Qボタンは右端に配置されています。
X-E4と比べて、X-E5の液晶モニターの解像度は162万ドットから104万ドットに下がってしまったのが残念な点です。
ただし、104万ドットでも画像が粗い印象はほとんどなく、あまり気にしなくても問題ないでしょう。

底面には、バッテリーとSDカードスロット、さらにBluetoothボタンが配置されています。

X-E5の液晶モニターはチルト式で、上下に広く動かせます。モニターが前に向くので、自撮りやローアングル、ハイアングルの撮影でも便利に使えます。




X-E5のボディ単体の重量は、バッテリーとメモリーカードを含めて約445gです。
レンズを装着した状態では、キットレンズのXF23mm F2.8 R WRで約552g、XF35mm F2 R WRでは約633gでした。
この軽さなら、スナップ撮影でも気軽に持ち出せて、長時間の撮影でも疲れにくいのが嬉しいポイントです。


FUJIFILM X-E5の良かった点(メリット)
4020万画素センサーとデジタルテレコン
X-E5は4020万画素センサーを搭載しており、APS-C機としては高画素なモデルです。
以前、私はSONY α7R IV(6100万画素)からα7 IV(3300万画素)に買い替えたことがあります。理由は、高画素機だとデータ量が大きく扱いづらかったためです。
そのため、X-E5の高画素化については少し心配していました。

ただし、X-E5はスナップ用として導入しているため、基本的には連写もほとんど使わず、α7R IVの6100万画素のように扱いづらくなることはありません。
4020万画素なので、そこまで気にせず使えています。
それ以上に大きなメリットは、デジタルテレコンで画角を変更できる点です。
キットレンズのXF23mm F2.8 R WRはフルサイズ換算で約35mmの画角ですが、デジタルテレコンを使うと1.4倍(約2000万画素)、2倍(約1000万画素)での撮影が可能です。
トリミングに近い形になるため、もちろん画像サイズは小さくなりますが、単焦点レンズでも気軽に画角を変えられるのは大きなメリットです。



EVF(電子ビューファインダー)搭載
X-E5には、0.39型・約236万ドットのファインダーが搭載されています。
私にとって、ファインダーを覗いて撮影することは非常に重要なポイントで、これだけでも写真を撮るモチベーションが大きく変わります。

現在所有しているSIGMA fpは、屋外の明るい環境ではファインダーがないため、撮影しにくい場面が多くあります。その点、X-E5はファインダーが搭載されているので非常に撮影しやすいです。

X-E5のファインダー倍率は0.39型とやや小さめですが、実際に使ってみるとそこまで気になることはありませんでした。
約236万ドットの画質も、個人的にはまったく問題ありません。
メイン機として使用しているα7 IVのファインダー(約368万ドット)と比べても、特に不便を感じることはありませんでした。
手ぶれ補正搭載
X-E5では手ぶれ補正が搭載され、前モデルのX-E4になかった点が大きな進化ポイントです。
手ぶれ補正が加わったことで若干重量が増えたデメリットはありますが、シャッタースピードを稼ぎにくいシーンでも、スナップ撮影を気軽に行えるのは非常に助かります。

シャッターフィーリング
X-E5のシャッターフィーリングは、個人的にかなり好みです。
これまで一眼レフやミラーレスを20台以上使ってきましたが、その中でも上位に入るシャッターフィーリングだと感じます。
シャッターフィーリングは好みが分かれる部分かもしれませんが、X-E5は小さめのシャッター音と、適度に心地よいシャッターショックが特徴です。
これはぜひ、実際に手に取って体感してほしいポイントです。

レンズキットのXF23mm F2.8 R WRがコンパクト
レンズキットのXF23mm F2.8 R WRを装着した状態のX-E5は、かなりコンパクトです。

ポケットサイズとは言い難いですが、パンツによってはポケットに入れることも可能です。例えば、Patagoniaのバギーズ・ロングのポケットにはすっぽり収まります。
もちろん、普段はズボンのポケットに入れることはありませんが、参考までに「こういうサイズ感」というイメージです。



ピークデザインのエブリデイスリング 10L V2に入れると、このようなイメージです。
α7 IVと2台持ちする場合には、エブリデイスリング 10L V2が便利に活躍します。


カメラ1台だけで使うなら、このバッグが便利です。パーゴワークス フォーカス Lです。
予備のレンズを1本入れる余裕もあります。


究極に気軽に持ち出す場合は、長年愛用しているアークテリクスのバッグ、マカ2(現行モデルはマンティス2)を使います。
X-E5は傷を付けたくないので、ダイソーで購入したクッションケースに入れて持ち出しています。
バッグの中には、X-E5以外に財布・カギ・スマホも収納できる余裕があり、最小限の荷物で出かけたいときに便利です。
小さなバッグに収まるのは、パンケーキレンズであるXF23mm F2.8 R WRを使用しているおかげでもあります。




SONY α7 IVやSIGMA fpとサイズ感を比較してみました。
α7 IVにはタムロンの28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071)を、SIGMA fpにはキットレンズにもなっているContemporary 45mm F2.8 DG DNを装着して比較しています。
フルサイズ機との比較にはなりますが、X-E5とキットレンズ(XF23mm F2.8 R WR)のコンパクトさがよく伝わると思います。

FUJIFILM X-E5の気になる点(デメリット)
防塵防滴仕様ではない
X-E5は防塵防滴仕様ではありません。
個人的には、過酷な環境でX-E5を使うことはあまりないと思いますが、ボディの価格を考えると、防塵防滴仕様だったらより気軽に使えたかなとも感じます。
雨や風が強い環境では、少し気を使いながら撮影していこうと思います。
フィルムシュミレーションダイヤルがセンサーと干渉
X-E5のフィルムシュミレーションダイヤルは、左手で操作するとEVFセンサーに干渉し、背面ディスプレイからEVFに切り替わってしまうことがあります。


私の場合、フィルムシュミレーションダイヤルで変更する際は、上の窓だけで確認するか、右手を伸ばして操作することで対応しています。
FUJIFILM X-E5の作例












レンタルもおすすめ
購入に不安がある方は、一度レンタルで試してみるのもおすすめです。X-E5はGOOPASS(グーパス)で取り扱いがあったので、参考までに紹介しておきます。
FUJIFILM X-E5と一緒に使いたいアクセサリー
液晶保護フィルム
液晶保護フィルムに特にこだわりはありませんが、2枚入りでコスパが良かったので購入しました。
気泡も入らず装着でき、使用感もまったく問題ありません。

ストラップリング・リングカバー
付属のストラップは使う予定がないため、ストラップリングとリングカバーを購入し、普段から使用しているストラップを取り付けています。


ハンドトラップ/ピークデザイン カフ
コンパクトなX-E5には、ハンドストラップがおすすめで、私も長年愛用しています。アンカーリンクスを使えば脱着もスムーズに行えるため、非常に重宝しています。


ネックトラップ/ピークデザイン リーシュ

グリップ

サムグリップ

まとめ:FUJIFILM X-E5がおすすめな人
今回はFUJIFILM X-E5を購入して3週間使ってみたレビューでした。
価格の高いカメラではあるものの、性能や心地いいシャッターフィーリングやファインダーがあることでの撮影体験もかなり満足しています。
- コンパクトでレンズ交換ができるカメラが欲しい
- ボディの質感が高く、所有感が満たされるカメラが欲しい
- 手ぶれ補正が必須
- ファインダーが必須
- FUJIFILMのフィルムシュミレーションを気軽に楽しみたい
X-E5はこんな方にはぜひおすすめしたいカメラです。
購入に不安がある方は、一度レンタルで試してみるのもおすすめです。X-E5はGOOPASS(グーパス)で取り扱いがあったので、参考までに紹介しておきます。